ビルや商業施設など、多くの人が利用する建物では、目に見えない「衛生管理」が非常に重要です。
中でも、空気や水、害虫の防除など、建物全体の衛生を総合的に管理する専門職が「建築物環境衛生管理技術者(通称:建環技)」です。
一定規模以上の建物ではこの資格者の選任が義務付けられており、「建物の健康管理」を担う存在として、近年ますます注目を集めています。
とはいえ、「名前は聞いたことがあるけど、実際にはどんな仕事をするの?」 , 「ビル管理士との違いは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、建築物環境衛生管理技術者の仕事内容や資格取得の流れ、他の関連資格との違いまで、わかりやすく解説します。
建築物環境衛生管理技術者(以下、建環技)は、特定建築物における空気や水など、衛生環境全般を管理する国家資格です。法令により、一定規模以上の建物では建環技の選任が義務付けられており、主にビルメンテナンス業界や建物管理部門で活躍しています。
この資格は「建環技(けんかんぎ)」と略して呼ばれることが多く、類似資格として「ビル管理士(建築物管理技術者)」が挙げられますが、別の資格ですので注意が必要です。
延べ床面積3,000㎡以上の特定建築物では、空気、給水、排水、害虫などの6つの衛生管理項目について、定期的に点検・記録を行い、衛生的な環境を維持することが求められます。
そのため、建環技は建物の安全性や信頼性を支える上で、欠かせない存在といえるでしょう。
建環技の業務は大きく6つの分野に分かれており、それぞれの分野で実務対応力と専門知識が求められます。
さらに、建物の用途や規模に応じて、厨房設備の管理や感染症対策、災害時の初動対応など、付随業務を担う場面も少なくありません。
建環技は、単なる法令対応要員ではなく、建物全体の安全性と信頼性を支えるキーパーソンといえるでしょう。
飲食店の衛生点検は、自主点検(内部チェック)と行政による立入検査(外部チェック)の2つに大きく分けられます。食品衛生法やHACCP制度に基づき、こうした点検が体系的に管理されています。
建環技の資格は、一度取得すれば有効期限はなく、更新の必要もありません。
ただし、特定建築物において建環技として選任されるためには、年1回以上の講習受講が義務付けられています。
この年次講習は、厚生労働省が認可する協会等が実施しており、感染症対策、法改正内容、衛生管理の最新事例などを学びます。
年次講習を受講しなかった場合、その年度に建物へ選任することはできず、行政指導の対象となる可能性があります。
延べ床面積3,000㎡以上の特定建築物では、建環技の選任が法令により義務付けられています。
建環技は、空気・水・害虫防除・清掃・機械設備など、複数の衛生管理項目を一元的に担当し、行政監査への対応責任も担います。
外部委託管理会社を通じた選任も可能ですが、委託先の講習修了状況や資格の有効性は、最終的にオーナー側が確認・管理する責任があります。
職場や施設の「衛生管理」に関する国家資格の中でも、特に混同されやすいのが「衛生管理者」と「建環技」です。以下の表で制度・対象施設・業務内容などを比較し、その違いを明確に整理します。
A. 資格そのものが失効することはありませんが、その年度は建物に選任できません。
A. はい、可能です。ただし、委託先の講習受講状況や資格有効性はオーナー側の責任で確認しましょう。
A. 自治体によって異なりますが、多くのケースでは衛生監視時に提示を求められます。年次ごとの保管・管理を徹底することが重要です。
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